EU、CSRD・CSDDDの適用対象企業を大幅縮小する「オムニバスI指令」が正式採択

EUEU(欧州議会・理事会)
確定・施行 サステナビリティ
2026.02.24掲載: 2026.07.25

EU、CSRD・CSDDDの適用対象企業を大幅縮小する「オムニバスI指令」が正式採択

概要

EUは2026年2月24日、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)および企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)を大幅に簡素化する「オムニバスI指令(Directive (EU) 2026/470)」を正式採択し、EU官報に公布した。対象企業の閾値(従業員数・売上高)を大幅に引き上げ、適用時期を延期する内容で、これまでCSRD・CSDDDの対象と見込んでいた日系企業のEU子会社の多くが、対象外となる可能性がある。

  • CSRDの新たな対象範囲:EU域内企業は、従業員数1,000人超かつ売上高4.5億ユーロ超(連結ベースを含む)が対象。非EU親会社グループは、EU域内売上高が4.5億ユーロ超(連結ベース含む)で、かつEU子会社・支店の売上高が2億ユーロを超える場合に対象。いずれも改正前より大幅に引き上げられた閾値。
  • CSDDDの新たな対象範囲:EU域内企業は従業員数5,000人超かつ全世界売上高15億ユーロ超が対象。非EU企業はEU域内売上高が15億ユーロ超の場合に対象(フランチャイズ等の場合はロイヤリティ7,500万ユーロ超・売上高2.75億ユーロ超)。
  • 適用時期:CSRDは加盟国による国内法化期限が2027年3月19日、義務的報告は2027年1月1日以後開始事業年度から。CSDDDは国内法化期限が2028年7月26日、義務適用は2029年7月26日から(欧州委員会のガイドラインは2027年7月26日までに公表予定)。
  • 実務上の緩和:バリューチェーンを通じた情報提供要求には法定の上限が設けられ、従業員1,000人以下の取引先は、欧州委員会の任意報告基準(VSME)を超える情報提供を拒否できる。

実務メモ

背景:本改正は2025年2月に提案されたオムニバスI簡素化パッケージの集大成で、2025年4月の「Stop-the-Clock指令」(適用時期の一時延期)に続く、閾値そのものを引き上げる恒久的な制度改正。EUのサステナビリティ規制全体を見直す広範な取り組みの一環でもある。

ポイント:閾値の大幅引き上げにより、これまでCSRD対象と想定していたEU子会社が対象外となるケースが相当数生じ得る。一方、対象に残る企業にとっては、適用時期の延期により対応準備期間が確保された形。加盟国による国内法化の内容は国によって異なり得るため、現地の状況確認が必要。

実務への一言:EU子会社がCSRD・CSDDDの対象になるか懸念していた場合は、今回の閾値引き上げにより対象外となっている可能性があるため、現地の会計士・法務アドバイザーと最新の対象判定を確認しておくことをおすすめします。

一次情報を見る(原文) ↗
国・地域EU
発信機関欧州議会・EU理事会
トピックサステナビリティ
公開日2026.02.24
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