伊国税庁、事業承継に伴う相続・贈与税免税の失効要件を明確化 ─ 持分譲渡後も「議決権支配」の維持が判断基準
ITイタリア
2026.07.31掲載: 2026.08.01
伊国税庁、事業承継に伴う相続・贈与税免税の失効要件を明確化 ─ 持分譲渡後も「議決権支配」の維持が判断基準
概要
イタリア国税庁は2026年7月31日、事業承継目的で非課税とされた出資持分(quote sociali)の移転について、受益者が既に有する議決権支配を単に補完する形で追加取得した持分を後日譲渡した場合の相続・贈与税免税の失効要件を明確化する見解(回答第152号)を公表した。
- 対象:相続・贈与により事業用資産(出資持分等)を非課税で取得した受益者が、その後に持分の一部を譲渡する場合
- 論点:相続・贈与税に関する統一法(TUSD)第3条第4項の2に定める非課税要件のうち、「議決権支配の維持」を判定する基準
- 結論:免税の存続には受益者が議決権支配(controllo di diritto)を保持していることが重要であり、非課税で取得したすべての持分の保有を継続する義務までは課されない
- 位置づけ:個別事案に対する税務当局の回答(interpello)であるが、事業承継税制の実務解釈として一般的な参照価値を持つ
実務メモ
背景:イタリアでは、事業や出資持分を相続・贈与により承継する場合、受益者が一定期間、議決権支配を維持すること等を条件に相続税・贈与税が免除される制度がある。要件を満たさなくなった場合は免税が遡って失効し、追徴課税が生じる。
ポイント:本件は、既に議決権支配を有する受益者が非課税で追加取得した持分の一部を後に譲渡した場合でも、議決権支配そのものが維持されている限り免税は失効しないとの判断を示した。
実務への一言:イタリアの現地法人においてオーナー一族から日系親会社・関係会社への持分移転や、事業承継スキームの一環で相続・贈与税の非課税規定の適用を検討している場合は、本回答を踏まえ、承継後の持分再編が免税要件(議決権支配の維持)に抵触しないか、現地税務顧問と事前に確認することを推奨する。
| 国・地域 | イタリア |
| 発信機関 | イタリア国税庁(Agenzia delle Entrate) |
| トピック | 税務 |
| 公開日 | 2026年7月31日 |
