EU炭素国境調整メカニズム(CBAM)が2026年1月から本格適用フェーズへ移行 ─ 認定申請期限は3月末
EU欧州委員会
2026.01.01掲載: 2026.07.25
EU炭素国境調整メカニズム(CBAM)が2026年1月から本格適用フェーズへ移行 ─ 認定申請期限は3月末
概要
EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)が、2026年1月1日付で移行期間(2023年10月~2026年1月)を終え、本格適用(definitive phase)に入った。鉄鋼・アルミニウム・セメント・肥料・電力・水素をEUへ輸入する事業者は、2026年の輸入分から炭素コストの財務的な負担義務が発生する。認定CBAM申告者(Authorised CBAM Declarant)の申請期限は2026年3月31日。
- 適用除外の明確化:年間輸入量50トン未満の事業者は、報告・認定申請・証書購入を含むCBAM義務から完全に除外される法定デミニミス基準が導入された(従来の輸入貨物価値150ユーロ基準に代わるもの)。
- 認定申告者ステータス:50トン超の輸入事業者は「Authorised CBAM Declarant」の認定取得が必要。オムニバス規則により、2026年3月31日までに申請すれば、認定審査中も輸入を継続可能。
- 証書購入は2027年から:2026年の輸入分について財務的負債は発生するが、CBAM証書の購入自体は2027年2月から開始。最初の年次申告・証書提出期限は2027年9月30日(2026年輸入分)。
- 排出量データ:実測値またはデフォルト値のいずれかを使用可能。実測値を用いる場合は第三者検証が必須。デフォルト値は意図的に保守的(不利)に設定されており、実測データより高コストになりやすい点に注意。
実務メモ
背景:CBAMはEU域外からの輸入品に、EU域内排出権取引制度(EU ETS)と同水準の炭素コストを課すことで、EU域内・域外生産者間の公平性を確保する制度。2025年に採択されたオムニバス規則と、2025年12月17日公表の実施・委任規則により、本格適用フェーズの運用ルールが明確化された。
ポイント:鉄鋼・アルミニウム製品等をEUへ輸出する日系企業(またはEU子会社を通じた輸入)は、年間輸入量が50トンを超えるかどうかがまず重要な分岐点。超える場合は3月末の認定申請期限に注意し、サプライヤーからの排出量データ収集体制の構築を急ぐ必要がある。
実務への一言:対象品目をEUへ輸出・輸入している場合は、年間輸入量が50トン基準に近いかどうかをまず確認し、超える可能性があれば認定申告者の取得準備とサプライヤーへのデータ提供依頼を早めに始めることをおすすめします。
| 国・地域 | EU |
| 発信機関 | 欧州委員会 |
| トピック | その他(炭素国境調整・輸入関連コンプライアンス) |
| 公開日 | 2026.01.01 |
