IASB、Pillar Two対象税額のIFRS第18号「法人所得税」区分への計上を審議 ─ 公開草案は見送りに

IFRSIASB
草案・パブコメ 会計基準
2026.06.23掲載: 2026.07.25

IASB、Pillar Two対象税額のIFRS第18号「法人所得税」区分への計上を審議 ─ 公開草案は見送りに

概要

国際会計基準審議会(IASB)は2026年6月23日の会合で、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の改訂案について審議した。OECDのPillar Two(グローバル・ミニマム課税)モデルルール上の「対象税額(covered taxes)」に該当する、法人所得税以外の税額を、損益計算書の「法人所得税」区分に計上することを認める改訂案が検討されたが、13名中5名の理事が公開草案の公表に反対する意向を示したため、公開草案としての公表は見送られた。

  • 論点:Pillar Twoの上乗せ課税(トップアップ税)の一部は、通常のIAS第12号上の「法人所得税」の定義に必ずしも合致しない場合があり、財務諸表上どの区分に表示すべきかが実務上の論点となっていた。
  • 審議結果:「対象税額」に該当する非法人所得税を「法人所得税」区分に計上することを認める改訂案について、13名中5名の理事が公開草案公表に反対する意向を示し、審議会は公開草案の公表を見送り。11対2で、特定の非法人所得税を「法人所得税」区分に計上させる代替的な方法を検討する方針を決定。
  • 今後:IASBは本論点について今後も審議を継続する。現時点で企業側の会計処理に確定した変更はない。

実務メモ

背景:IFRS第18号は2027年1月1日以後開始事業年度から適用される新しい表示・開示基準で、損益計算書の区分表示(営業・投資・財務・法人所得税・非継続事業)を厳格化する内容。Pillar Two対応税務コストの表示区分は、多くの多国籍企業グループにとって実務上の関心事となっている。

ポイント:現時点では改訂は見送られ、確定した基準変更はない。ただし審議会が代替案の検討を継続する方針を示しており、今後の展開次第でPillar Two関連コストの財務諸表上の表示方法が変わる可能性がある。

実務への一言:IFRS第18号を適用予定の日系企業グループ(特に欧州子会社を含むグループ)は、Pillar Two対応税額の表示区分について、現状は確定基準がない状態であることを踏まえ、監査法人と早めに会計方針の方向性を擦り合わせておくと安心です。

一次情報を見る(原文) ↗
国・地域国際(IFRS)
発信機関IASB(国際会計基準審議会)
トピック会計基準
公開日2026.06.23
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