HMRC、税制簡素化パッケージ「Tax Update 2026」を公表 ─ 法人税QIP基準の見直し等40項目

GBHMRC
ガイダンス 税務
2026.06.23掲載: 2026.07.25

HMRC、税制簡素化パッケージ「Tax Update 2026」を公表 ─ 法人税QIP基準の見直し等40項目

概要

英国歳入関税庁(HMRC)は2026年6月23日、税・関税制度の簡素化・デジタル化・公正性強化を目的とした政策文書「Tax Update 2026」を公表した。40項目にわたる措置のうち、日系企業のグループ内の英国法人にとって特に実務影響が大きいのは、法人税の四半期予定納税(QIP)基準の見直し、電子インボイスの標準化方針、VAT・PAYEの口座振替義務化の3点。

  • 法人税QIP基準の見直し:2027年4月以降、研究開発費税額控除(R&D Expenditure Credit)、映像・ゲーム制作費税額控除(Audio-Visual/Video Games Expenditure Credit)を、四半期予定納税(QIP)の対象判定に用いる「augmented profits」の計算から除外する二次立法を予定。税額控除を受けたことのみを理由にQIPの対象に組み入れられる事態を防止する。
  • 電子インボイスの標準化方針:英国の電子インボイス制度における中核の相互運用ネットワークとして、電子調達システムPeppolを採用すると発表。2029年を見据えたe-invoicing義務化への方向性を示すもので、対応システムの検討を早期に始める必要がある。
  • VAT・PAYEの口座振替義務化:2025年秋の予算で表明されていたVATおよびPAYE(源泉徴収)納付のダイレクトデビット義務化について、正式にコンサルテーションを開始。一定の例外を除き、口座振替が納付方法として必須化される見込み。
  • その他:米国LLC等のリバースハイブリッド事業体への二重課税是正、脱税に対する新たな犯罪類型(重過失による虚偽申告)の導入検討など、国際的な事業体・コンプライアンス関連の項目も含まれる。

実務メモ

背景:HMRCは毎年、税制の簡素化・デジタル化に関する政策パッケージを公表しており、今回は40項目という大規模な内容。多くは今後のコンサルテーション(意見募集)段階にあり、確定した法改正ではない点に留意。

ポイント:QIP基準の見直しは2027年4月からで、現時点で対応の緊急性は高くないが、電子インボイス(Peppol採用)とVAT・PAYEの口座振替義務化は今後の英国子会社の経理実務・システム対応に影響するため、継続的な情報収集が必要。

実務への一言:英国に子会社を持つ場合、現時点で急ぎの対応は不要ですが、電子インボイス対応やダイレクトデビット移行など数年単位のシステム対応が必要になる項目が含まれるため、現地の会計士・税理士と早めに情報共有しておくと安心です。

一次情報を見る(原文) ↗
国・地域イギリス
発信機関HMRC(英国歳入関税庁)
トピック税務
公開日2026.06.23
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