オランダ、事業承継税制(BOR)を2026年1月から抜本改正 ─ 対象株式の限定・所有期間の延長等
NLオランダ政府
2026.01.01掲載: 2026.07.25
オランダ、事業承継税制(BOR)を2026年1月から抜本改正 ─ 対象株式の限定・所有期間の延長等
概要
オランダの事業承継に係る相続税・贈与税の優遇制度「Bedrijfsopvolgingsregeling(BOR)」が、2026年1月1日付で複数の点において抜本的に改正された。対象株式の限定という締め付け強化と、組織再編時の適用継続という緩和の両面が含まれ、日系企業のオランダ事業承継・グループ内再編の実務に影響する内容。
- 締め付け強化(対象株式の限定):発行済資本の5%以上を保有する普通株式のみをBOR対象とする方向に限定(利益証券・オプション・優先株式・5%未満の株式は原則対象外)。ただし本措置の施行時期は、小規模な家族保有持分の希薄化対応措置に係る欧州委員会の承認と連動しており、承認時期は未確定。
- 締め付け強化(高齢創業者の所有期間延長):いわゆる「高齢者による駆け込み投資」対策として、被相続人・贈与者が高齢で事業を開始した場合の所有期間要件を段階的に延長(被相続人は最長6.5年、贈与者は最長6年、いずれも80歳時点)。
- 緩和(組織再編時の適用継続):2026年1月1日以降、合併・会社分割・法人形態変更・株式取引等の組織再編を行っても、経済的実質的権利(subjectieve gerechtigdheid)が変わらない限り、BOR適用が自動的に失効しなくなった。二段階遺贈(tweetrapsmaking)でも当初の贈与者が要件を満たしていればBOR適用の余地が生まれた。
- 濫用防止(二重適用の禁止):2026年1月1日以降、同一事業についてBORを2回適用することを禁止。過去にBORが適用された事業を買い戻し、再度優遇適用のうえ承継させるようなスキームを封じる内容。
実務メモ
背景:BORはオランダで事業(株式)を親族等へ承継する際の相続税・贈与税負担を大幅に軽減する制度で、日系企業がオランダ法人の株式を親から子への承継やグループ内再編を行う際にも関係し得る。今回の改正は濫用防止の強化と実務上の使い勝手向上の両方を狙った内容。
ポイント:組織再編時の適用継続の緩和は、グループ内再編を予定している場合には朗報である一方、5%未満の株式や優先株式を保有するスキームを組んでいる場合は対象株式の限定により不利益を受ける可能性がある。5%要件の施行時期は欧州委員会の承認待ちで未確定な点にも留意。
実務への一言:オランダ法人の株式承継やグループ内再編を検討している場合は、現行BOR要件と2026年改正内容の両方を踏まえ、現地の税理士・M&Aアドバイザーとタイミングを含めて早めに相談することをおすすめします。
| 国・地域 | オランダ |
| 発信機関 | オランダ財務省/税制当局 |
| トピック | その他(事業承継税制) |
| 公開日 | 2026.01.01 |
